財部誠一さんの出版記念講演会「敗れてもまた走れ」に参加して
先日、鳥取市で開催された財部さんの出版記念講演会「敗れてもまた走れ」に参加してきました。
著書はすでに拝読していましたが、ご本人の生のお話を伺い、さらに胸を打たれる気づきを得る貴重な時間となりました。
心に響く、重みのあるメッセージ
財部さんは約10年前に脳梗塞を患われ、現在も右半身に麻痺が残る中でリハビリを続けながら登壇されています。 その影響で、一言一言を噛み締めるように、ゆっくりと話されるのですが、だからこそ言葉の重みが直接心に響いてきます。飾らない、盛ることもない、その実直なお人柄が伝わってくる本当に印象深いお話でした。
豊田章夫さんも感銘を受けた「創業の精神」
今回の講演の中で、特に印象的だったのが豊田章夫さんとのエピソードです。
本書を7月に出版された後、章夫さんがお盆のプライベートな時間で読了され、なんとA4用紙3枚分もの感想文が財部さんのもとに届いたそうです。章夫さんが特に感銘を受けられたのは、次の2つの点でした。
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鬼塚喜八郎さんの「創業の精神」
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ブランド作りに対する姿勢
アシックスとなり、鬼塚さんがお亡くなりになった後の時代、ナイキの厚底シューズが世の中を席巻しました。その逆境の中、かつての鬼塚さんの「頂上作戦(トップアスリートに選ばれることでブランドを高める戦略)」のDNAを受け継ぎ、無難にやり過ごそうとする中堅ではなく若手社員を集めて商品開発を成し遂げたとのことです。 これが可能だったのは、鬼塚さんの理念と哲学が、日頃から社内にしっかりと浸透・共有されていたという揺るぎないベースがあったからこそだと痛感させられます。
また、アシックス誕生の際、通常は文化の異なる3社を対等に合併することは極めて困難です。それを成功に導いたのは、「理念の共有」と「人事面を徹底的かつ丁寧に合わせる」というプロセスでした。ちなみに、その際に「オニツカタイガー」のブランドをあえて一旦封印したという歴史の重みにも驚かされました。
会社が創り、育てるのは「お客様」
すでに本を読んでいたつもりでしたが、今回の講演を通じ、改めて深く学び直すことができました。
「自分の中から滲み出てくる創業の理念、そしてブランドは会社がベースを創り、育てるのはお客様である」
この豊田章夫さんも感銘を受けた本質的な教えを、日々の仕事や組織づくりにどう落とし込んでいくか。自分自身の姿勢をも改めて問い直す、素晴らしい一日となりました。
敗れても、なお前に向かって走り続ける――その姿勢に学び、私たちも一歩ずつ進んでまいります。

